「なぜ“教育しても育たない”のか?」Vol.5 (最終回)
─ 教育とは、“信頼を預けること”だった ─
こんにちは、株式会社Lead Correctの山本です。
このシリーズでは、「教育しても育たない」という企業の現場でよくある疑問に対して、
“育成の本質”を5回にわたって掘り下げてきました。
最終回となる今回は、
これまでのすべてを結ぶ答えとして、
「教育とは、信頼を預けることだった」というテーマで締めくくりたいと思います。
■ 教える=コントロールではない
多くの人が“教育”という言葉を聞いたとき、
「教えること」
「指導すること」
「修正すること」
そんな“コントロール”のイメージを持ちます。
でも、教育の本質は“支配”ではありません。
「この人(部下)を信じる」ことからしか、本当の育成は始まらないのです。
■ 人は、“信頼されている”と感じたときに初めて動く
たとえば、あなたが部下にこう声をかけたとします。
•「任せるよ」
•「あなたにならできると思ってる」
•「失敗しても大丈夫、一緒にやろう」
この言葉を“本気”で言えたとき、
相手の中に芽生えるのは「期待に応えたい」「やってみよう」という気持ち。
これは、「教えられたから」ではなく、
「信じてもらえたから動き出す」という状態。
つまり…
教育とは、情報を渡すのではなく、
“信頼”という見えないバトンを手渡すことなんです。
■ 育成がうまくいかない会社に共通するのは、“信頼の不在”
• 社員を“疑う前提”でマニュアルを作っている
• 些細な失敗にも“説明責任”を求める空気がある
• 話すより“詰める”文化が浸透している
そんな組織では、人は育ちません。
なぜなら、人は“疑われている場所”では、本来の力を発揮できないからです。
■ 育成のゴールは、“信頼できる関係性”の構築
教育とは、「こうしなさい」と伝えることではなく、
「あなたを信じてるよ」と伝え続けること。
人は“信頼された体験”によって、
自分のことも、相手のことも、少しずつ信じられるようになっていきます。
Lead Correctでは、
「スキルを教える前に、“信頼の土壌”を耕すこと」
これをすべての教育の前提に据えています。
知識やテクニックは後からついてくる。
でも、“信頼のない教育”は、決して人を動かしません。
最後に、教育に関わるすべての方へ。
もし今、「人が育たない」と悩んでいるなら、
一度だけ、こう問いかけてみてください。
「私は、この人(部下)を“信じて任せよう”としているか?」
その答えの中に、
きっと“育成のヒント”が眠っています。
全5回、お読みいただきありがとうございました。
このシリーズが、
教育という言葉に“あたたかい意味”を取り戻す一助になれば嬉しいです。
社内教育において、もしお困り事がございましたら
是非ご相談くださいませ。
山本
株式会社LeadCorrect
〒541-0057 大阪市中央区北久宝寺町2丁目6-1 RE-017 404